艇の説明 競技創設期当時の雑誌資料に出てくる艇の紹介です。

  

 

  

  

バッテーラ
 【Bateira】

ポルトガル語でボートの意日本では艦船用の避難、救護、連絡用ボートの意味で使用している。したがって、海専用のボートで風浪を冒して海洋を乗り回すので少しくらいの波ではひっくり返らぬよう安全第一に設計されており形はお椀形である。丈夫ではあるが艇速は遅い。東京の学生らがお遊びで乗り始めた最初のころはボートと呼ばずバッテーラと呼んだ。
余談ではあるが鯖(本来は小鰭)の棒寿司のことをバッテラと呼ぶが見た目がこのバッテーラに似ていることからそう呼ばれる。

  

画像を挿入します。

バッテーラと呼ばれる小舟

カッター
【Cutter】

本来は櫂と帆を備えた小舟をさしていたが、バッテーラと同じ意味で用いられる。と「ボート50年」*1には記載されていましたが

 

 *1著者 
久保田勘三郎/宮田勝
時事通信社:s32年

 

帆船模型のサイト「ザ・ロープ」の会員で

横浜帆船模型工房の白井一信 さん

に以下のご意見をいただきました。

カッターとは17 〜187世紀にはボートを意味する近代軍艦などでカッター(短艇?)というのは艦載ボートのことですし、海洋少年団ではカッター訓練がありますね。このような大型のボートは、ビクトリーの時代(17〜18世紀)でいえば、「ランチ」に相当すると思います。言葉ではなく、1本マスト横帆+縦帆の小型船で、軍用では沿岸警備や偵察、連絡に使われていました。近代軍艦などでカッター(短艇?)というのは艦載ボートのことですし、海洋少年団ではカッター訓練がありますね。このような大型のボートは、ビクトリーの時代(17〜18世紀)でいえば、「ランチ」に相当すると思います。

 

@英国海軍が建造した1本マストの武装カッター

 

Aネルソン提督の旗艦に艦載されていた 右から34ftランチ、32ftバージ、28ftピンネース、18ftカッター

 

B34ftランチ

@からC画像は白井一信さんのご好意よりお借りして掲載しております、白井さん画像そしてご教授大変有り難うございました。

バージ
【Barge】

渡し船や遊山用の船であるが艀(はしけ)の意味で使われる。現在欧州などでは遊覧船を呼ぶ。これについても上記の白井さんにご意見をいただきました。

 

 

 

バージ(Barge)をThe Oxford Companion to Ship and The Seaという海事用語辞典で引いてみました所、次のように出ていました。

1.17世紀頃から海で使われた帆を持つ小さな船

2..船尾に大きな船室を持ち、前半分では多数のオールを持つ儀式用の船(クレオパトラのバージ、ナポレオンの葬儀用バージ等)た。

3.沿岸あるいは河川で使われた平底の運搬船(テームズ・セーリング・バージ等)

4.16〜18世紀に軍艦に積まれたボートのうちの2番目に大きいもの

 

C葬儀用のバージ

 

以上のように多種多様な船がバージと呼ばれており、このうちビクトリーのバージは4に該当します。ビクトリーの艦載艇で最も大きなものをランチといい、兵員や物資の輸送(船への荷物の積み込み)などに使われました。それに対し二番目のバージはもちろん荷物や兵員も運びますが艦長用のボートです。

固定席艇
【Fixed Seat}】

固定座艇とも呼ばれた。座席が固定しているボート幅が広く重い

 

 

滑席艇
 【Sliding Seat】

滑座艇とも呼ばれた。二本のレールの上に小さなタイヤの着いたシートをおき、脚の屈伸によってシートが前後する。オールの引きが長くなる。艇の幅は狭いのでリガー(オールの支柱)は舷外に取り付ける。

 

 

二挺立て
【Ni-cho-date】

挺は櫨などを数える単位であり、一艇のオールの本数を表しているので漕手何人乗りかということ。二挺立て、四挺立てのバッテーラといった具合で使う。挺の略字として丁がある。

 

 

八櫂艇
【Eight】

参考にした「ボート」*2にはエイトとカナがふられていた。他に十櫂艇、六櫂艇などが本場英国では主流だったようだ。

 

*2著者
長谷川宗憲
改造社 大正15年